薔薇葉鶏頭小禽図 ばらはげいとうしょうきんず

日本画 / 江戸 

佚山筆 (1702-1778)
いつざん
江戸時代、宝暦4年/1754年
紙本淡彩
118.4x31.0cm
1幅
落款:「甲戌孟冬灋沈南蘋筆意/佚山叜」

印章:「佚山頭陀」(白文方印)「黙隠」(朱文方印)「一張琴一壺酒一溪雲」(遊印、朱文楕円印)

来歴:2016神戸市立博物館

参考文献:
・石沢俊「佚山筆 海棠牡丹寿帯鳥図」『國華』第1478号 2018

佚山(1702-78)は大坂出身の曹洞宗の僧であり、書画篆刻に優れた人物です。寛延3年(1748)47歳で西遊の旅へ出ると、同年秋には念願だった長崎へ到り、同地で3年を過ごしました。長崎滞留中には来舶清人・沈草亭や書家・高君秉、千丈実巌らと交友を深める一方で、熊斐から沈南蘋の画法を習得したと伝えられます。宝暦4年(1754)に帰京すると、熊斐から学んだ南蘋風花鳥画や、水墨画を数多く手がけ、画家として活躍しました。京坂における南蘋風の流行を考える上で、鶴亭とともに重要な人物です。

本作品は「甲戌孟冬灋沈南蘋筆意/佚山叜」の落款から、宝暦4年10月に沈南蘋の筆意に法って描いたことが判明します。左下から緩やかな曲線を描く葉鶏頭、薔薇、そこにとまる小禽(白頭翁ヵ)など、本図は熊斐筆「菊に小禽図」(個人蔵)と図様が類似しています。長崎から帰京して間もない佚山が、熊斐から学んだ南蘋風で描いた最初期作であり、佚山の画業の基準作例といえます。

【長崎ゆかりの近世絵画】

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