木造阿弥陀如来坐像
もくぞうあみだにょらいざぞう
作品概要
木造阿弥陀如来坐像
もくぞうあみだにょらいざぞう
岩手県
平安後期
〔品質構造〕
頭体幹部は左肩及び左腕を含んで一材製とし内刳りはない。カツラ材製と見られる。右肩以下は右肘までを含んで本体と共木とする。右肘から左手首付近の着衣部までを一…
〈本体〉
像高:73.0㎝ 髪際高:61.5㎝ 頂―顎:24.8㎝ 面長:12.5㎝ 面幅:13.0㎝ 耳張:16.1㎝ 耳朶張:13.5㎝ 面奥:18.0㎝ 胸奧(右):19.4㎝ 腹奧(衣含む):21.6㎝ 坐奧:38.2…
1躰
岩手県奥州市前沢字山下64
奥州市指定
指定年月日:20190510
宗教法人 專念寺
有形文化財(美術工芸品)
・カツラ材の使用は、中尊寺金色堂の基衡壇、秀衡壇の諸像にも見られる、東北地方で制作された平安仏の特色である。本像の頭部は、地髪と肉髻の段差を明瞭とはしない特色を見せるが、これは平安京では10世紀半ば以降の仏像が示す古様な様式である。膝頭に表された衣文線は描くカーブの曲率が強く襞が太く表されておりこれも古様な特色である。一方、本像の側面観のやや猫背気味で面部下方を心持ち前に出す様式は、12世紀の仏像に通じる特色を示す。以上のような様式的見地から、本像は11世紀後半~12世紀頃の制作になる仏像と見なされる。
・内刳りのない一木造という本像の造像法は、中尊寺の現存する諸像がいずれも寄木造り、または割矧ぎ造りで内刳りのある造像法をとることとは異なっている。
・本像に見られる様式は総じて、現存する中尊寺の仏像とは異なっており、中尊寺とは系統を異にする環境においての制作事情を想定させる。