双鶴図 そうかくず

日本画 / 江戸 

渡辺鶴洲筆 (1778-1830)
わたなべかくしゅう
江戸時代/19世紀前期
絹本著色
98.8×46.8
1幅
落款:「鶴洲」

印章:「世渡辺氏」(白文方印)「秀実元成印章」(朱文方印)「意在筆墨外」(遊印、朱文長方印)

来歴:1996神戸市立博物館

参考文献:
・國立故宮博物院特別展『交融之美 神戸市立博物館精品展』図録 2019

渡辺鶴洲(1778-1830)は唐絵目利・渡辺家の七代目。名は秀実、字は元成、号は親仁堂、居易主人などという。本作品は大ぶりの松樹と竹葉の傍に佇むつがいの丹頂鶴を描いた作品である。松と双鶴の組み合わせは「松鶴長春」という吉祥画題で、夫婦の不老長寿を祝う意味が込められている。眩しいほど真っ白な鶴の羽毛と頭頂部の赤い模様の対比が美しい。また、レースのような精緻な白い羽は、伊藤若冲の描く鶴とも親近性を感じさせる。丹頂鶴に繊細な美しさをまとわせる一方で、背後の松と竹は力強い筆遣いで描く。画面左中程の松樹の幹に「鶴洲」の落款と、「世渡辺氏」(白文方印)「秀実元成印章」(朱文方印)が捺され、右下に「意在筆墨外」(朱文長方印)の遊印がある。

黄筌(?-965)の「六鶴図」に即して本作品を見てみると、手前の一羽は首を挙げて嘴を張って鳴く「唳天」、寄り添うように奥に佇むもう一羽は首を回して下を顧みる「顧歩」に当たると考えられる。本作品の鶴を反転させると、伊藤若冲「旭日松鶴図」(摘水軒記念文化振興財団蔵)や若冲が手本とした陳伯冲「松上双鶴図」(京都・大雲院蔵)などと、図様が近しいことがわかる。当館所蔵の鶴洲家襲蔵粉本のなかにも、ほぼ同図様の「双鶴図」の粉本(伝木下光行筆)が伝わり、鶴洲及びその弟子たちによる中国絵画の学習と受容のさまがうかがえる。渡辺家の顕彰と継続を願った鶴洲の活動の一端を伝えてくれる優品である。

【長崎ゆかりの近世絵画】

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