墨梅図 ぼくばいず

鶴亭筆、悟心元明賛
かくていひつ、ごしんげんみょうさん
安永4年(1775)
紙本墨画
137.5×59.0cm
1幅
落款:「乙未初冬為霊聖悟心老兄和尚/﨑江寉亭道人光寫」
印章:「如窗」(関防印、朱文楕円印)「浄光之印」(白文方印01)「五字菴」(朱文円印)「煙霞筆底」(遊印、白文長方印)
賛:悟心元明(安永7年)「思玄」(関防印、朱文瓢印)墨汁灑濃淡寫来壽/米翁梅花筆端発一/室起香風 戊戌蒲月/夢幻悟心叟題并書」「元明之印」(白文方印)「悟心氏」(朱文方印)

太く力強い幹、細く弓なりに曲がる枝、天を掴むかのごとく伸びる枝先―梅樹を濃墨の力強い筆遣いで描き、背景には部分的に淡墨を刷くことで、月光の夜に咲く梅を表現しています。満開の梅花は塗り残した余白に速い筆遣いで楕円を連ねて描いています。弓なりにしなる枝振りは鶴亭の墨梅図中随一のもの。落款から、安永4年10月に黄檗僧・悟心元明のために描かれたと判明します。本図を贈られた悟心は同7年5月に次の題を記しています。

  墨汁灑濃淡 写来寿米翁
  梅花筆端発 一室起香風
   戊戌蒲月 夢幻悟心叟題并書

悟心は本図を見て、その筆先から梅花が生まれ出ており、この絵を掛けると部屋中に梅の香りが立ちこめてくると賛美しています。ここからは、北宋の林和靖が詠んだ梅の名句「暗香浮動月黄昏」が連想されます。悟心が感じ取ったのは、単なる梅の香りではなく、「暗香浮動月黄昏」の詩意と憧れの林和靖のイメージを伴うものだったのでしょう。視覚、嗅覚、知覚でこの作品を味わい、作品を介して心を通じ合い、共感する悟心は、鶴亭にとって大切な友でした。

【名品2019】【長崎ゆかりの近世絵画】

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