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ヨハネ黙示録(10)

-そして、彼を惑わした悪魔は、火と硫黄との池に投げ込まれた、そこには獣もにせ予言者もいて

概要

ヨハネ黙示録(10)

-そして、彼を惑わした悪魔は、火と硫黄との池に投げ込まれた、そこには獣もにせ予言者もいて

版画 / リトグラフ(石版画) / ヨーロッパ

ルドン、オディロン  (1840-1916)

1899年

リトグラフ・紙

27.3×23.5

額装

 千年の期間が過ぎ去ると、悪魔は牢獄から解放され、「地の四万にいる諸国民」を惑わし、彼らを戦いのために召集して、「聖徒たちの陣営と愛されていた都」を包囲させた。「すると、天から火が下ってきて、彼らを焼き尽くした」のである。多くの民を惑わした悪魔は火と硫黄の池に投げ込まれ、「世々限りなく日夜」、苦しめられることになる。ルドンの描く悪魔は、堕ちて行くイメージで表現されているが、陰気で神経質そうに頗をしかめた表情には、再び地獄に突き落される苦痛の心情が反映させられたと解すべきであろうか。上半身のみを覗かせる悪魔は、激しい明暗の交替を示す渦巻く火と硫黄の池の中に身を沈め、いやおうなく奈落の底へ引きずり込まれて行く。画面では幾重にも重ねられたおびただしい陰影ハッチングによって、何段階もの明暗の調子が描き分けられ、その不安な動揺を示す肌理の細かい線の細工は、悪魔の腺病質な性格を一層際立たせる感がある。リチャード・ホップスは、左側に頭部を傾けた顔のモティーフが、先行する「聖アントワヌの誘惑」第三集第17場面に見られる悪魔の顔を再度採用したものであると指摘している。(中谷伸生)

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