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帷子 黒麻地氷割紅葉文字模様

かたびら くろあさじひわれもみじもじもよう

概要

帷子 黒麻地氷割紅葉文字模様

かたびら くろあさじひわれもみじもじもよう

染織 / 江戸

江戸時代・17~18世紀

麻、白上げ、刺繡、型染

1領

帷子とは、麻でできた夏のきものです。裏のない単(ひとえ)仕立てになっています。麻といっても、ごわごわしたものではなく、上質な細い糸で織られたさらっとした肌ざわりで、蒸し暑い日本の夏にはさぞ着心地よいものだったでしょう。
黒い地に、「呉」「江」「波」「冷」などの文字が配されています。漢詩をデザイン化したものでしょうか。全体に、さまざまな色で紅葉が散らされています。そのあいだにあるランダムな多角形は、氷が割れている模様です。もともと中国では梅と組み合わせられることが多い模様のようですが、ここでは色づく紅葉とともに、秋が深まり冬に向かう季節をイメージさせています。麻でできた夏のきものに氷と紅葉の模様とは不思議な組み合わせですが、エアコンのない時代に、目から涼しさを誘う工夫だったのでしょう。

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